本・コミック
¥636(税込)
JAN: 9784121023476
京都大学大学院法学研究科教授・待鳥聡史による政治学の専門書。有権者が選挙を通じて政治家を選び、政治家が政策決定を行う代議制民主主義の仕組みについて、歴史的・制度的観点から詳細に解説する。議会の発展、大統領制と議院内閣制の確立、選挙権の拡大を経て定着したこのシステムは、第二次世界大戦後に黄金期を迎えたが、経済成長の鈍化やグローバル化の影響を受け、現在は世界各国で機能不全に陥っている。本書は代議制民主主義がもはや過去の政治制度なのかという問いに対し、民意と政治家の緊張関係から本質を問い直す。自由主義的要素(エリート間の競争と相互抑制)と民主主義的要素(有権者の意思反映)のバランスを重視し、執政制度(大統領制・議院内閣制など)と選挙制度(多数代表制・比例代表制など)の組み合わせが政治に与える影響を分析する。全6章構成で、序章から終章まで代議制民主主義の存在意義をバランスの視点から考察する。
読者からは「代議制民主主義を空気や水のように当たり前に思っていたが、真剣に考えるきっかけになった」という感想が多い。執政制度と選挙制度の組み合わせが政党や政治家に与える影響の分析が「目からウロコ」と評価される。一方で「抽象的な議論が難しい」という指摘もある。専門家からは「比較政治学的な見地から代議制民主主義を再検討し、議会懐疑論への応答を図りつつ、代議制民主主義の持つ特性への認識を深める書」と高く評価されている。本書の締めくくりで「自由主義的側面と民主主義的側面の間で揺らいでいくことにより、政治目標に合わせた制度を形作る代議制民主主義の価値」を語る点が、読者に深い納得をもたらしている。中公新書の政治学関連書として「ハズレなし」という評価も見られる。
| 出版社/レーベル | 中央公論新社 |